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アレルギーについてのQ&A

咳が続きます。喘息でしょうか。

 咳は、だれでも経験する症状の一つです。咳が続くと苦しいですし、夜よく寝れないことがあります。咳には、痰を伴う咳と痰を伴わない咳があります。専門用語では、前者を湿性咳嗽、後者を乾性咳嗽と呼んでいます。咳が続く場合、その原因は、のど(専門用語では、咽頭、喉頭)、気管、気管支、肺にあることが大部分です。咳を止めることはたいせつですが、その前にどこが悪くて咳がでているか、確かめてみる必要があります。そのためには、のどを直接診たり、胸のレントゲン写真をとったり、肺活量の検査をしてみる必要があります。痰を伴う場合には、痰を集めて、その中にある細胞をしらべてみる必要があります。咳が続く場合の原因として、頻度的に、気管支喘息であることが多いようです。その他、肺がん、肺炎、結核などの場合もあります。咳が長引く場合には、専門医を受診してください。

子どもの蓄膿症は手術が必要でしょうか?

 小児の副鼻腔炎(蓄膿症)はアレルギー性鼻炎に合併することが多く、カゼなどの急性炎症で悪化するため、良くなったり悪くなったりの変動が大きいのが特徴です。また、小児副鼻腔炎は成人のものとは異なり、成長に伴って軽症化する例が多いのも特徴です。それから、小児は顔面骨や副鼻腔が発育過程にあるため、手術が発育に影響を及ぼすことが問題になります。したがって、通常小児では手術は行わず、鼻処置、ネブライザー、内服や点鼻などの治療が中心になります。ただし、10歳以上の重症例や大きな鼻茸がある場合には手術が必要になります。

月経喘息について教えてください。

 月経を有する年齢の女性の気管支喘息患者では、月経前および月経時期に喘息状態が悪化するすることがあり、これをそれぞれ月経前喘息、月経期喘息とよび、併せて月経(関連)喘息とよんでいます。有経女性喘息患者の20−40%にみられるといわれています。性ホルモン分泌の変動により月経周期がおこっており、月経喘息には性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンなどが関連していると考えられていますが、詳細な機序はいまだはっきりしていません。

 治療については、通常の気管支喘息の治療、すなわち、吸入ステロイド薬、吸入β2刺激薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬による治療、を行います。これらの治療に反応しない場合、プロゲステロン、フロセミドによる治療を加えることがあります。通常の喘息治療でよくならない場合には、専門医にみてもらうことをお勧めします。

卵アレルギーがあります。インフルエンザワクチンは接種できますか?

 現在のインフルエンザワクチンは、鶏卵の胚にウイルスを植え付け、増殖させる方法をとっていますので、ウイルスを分離する際に微量の卵成分が混入する可能性があります。しかし、最近は分離する技術が進歩して製造されたワクチンの中にはアナフィラキシーをおこすのに必要な抗原量が含まれていないことがわかりました。従って、卵アレルギーの患者さんでも安心して接種することができます。但し、卵摂取で全身反応を起こす人は接種医に相談してください。専門病院でワクチンの皮膚テストを行い、安全性を確かめてから接種する方法もあります。新潟県では、ハイリスク患者さんの予防接種は県立吉田病院で行うことになっています。

第1子がアトピー性皮膚炎と気管支喘息になっています。今度第2子を予定していますが、アレルギー疾患にならないようにするために妊娠中にできることはありますか?

 アレルギーを起こしやすい体質は遺伝することが認められています。両親がアトピー性皮膚炎と気管支喘息の両方をもっている場合は、子どもがアトピーか喘息になる確率は8割以上といわれています。遺伝的な素因を変えることはむずかしいですが、環境要因を変えることでアレルギー疾患を発病しにくくすることは可能です。母体は妊娠8ヶ月から出産後8ヶ月までは卵を除去することと、室内環境中からダニ抗原を少なくすることが重要な予防的対策となります。同居者の喫煙は受動喫煙となり子どもの喘息発病率を上昇させることが知られていますので、家の中での喫煙はやめましょう。

現在50歳代の男性です。30年以上の喫煙歴があります。最近階段を昇ると息切れがします 喘息でしょうか?

 もちろん喘息の可能性もありますが,息切れを起こす病気には色々あります。たばこを吸う方であまりゼイゼイいわず,体を動かしたときに息切れが強くなるなら,COPDという肺の病気の可能性が高いと思われます。

しかし,COPDの多くは70歳以降の方が多く,ご質問の方は歳代と年齢がかなり若いので,他の病気でないことを確かめた方が良いと思います。心臓病の可能性もありますし,慢性肺動脈血栓塞栓症や神経筋疾患など,呼吸器の専門家でさえも診断しにくい病気があります。まずは,呼吸器専門医に呼吸機能検査を初めとした諸々の検査してもらうのがよいでしょう。

大人になってからはじめて喘息になりました、治るのでしょうか?

 大変難しい質問です。子供の喘息は成人までに治ることが多いのですが,大人の喘息は治らない病気とまで言われています。喘息が難治性の病気であることは事実で,多くの喘息専門家は治らない患者さんを数多く診ているのが現状です。しかし最近,喘息の一部は完治するのではないか,という報告もでてきています。その報告を基に言いますと,発病してから3ヶ月〜半年以内に吸入ステロイド薬を使い,無症状状態を3年ほど維持すると治ることがある,とされています。しかし残念ながら,無症状になると治療をしなくなる方が多くおられ,完全に治る方は少数というのが実感です。その他,喫煙者でないこと,動物の毛を家に入れないこと,家の埃や花粉を吸わないようにすること,刺激臭・煙・シックハウスを避ける,など喘息を悪化させることを避けることも,治りやすくする条件と考えられています。

妊娠中の喘息治療について教えてください。

 妊娠中の喘息状態を適切にコントロールすることは、母体と胎児の双方の健康と幸福のために重要なことです。薬が胎児に悪い影響を与えるのではないかと勝手に考えて、治療を中断しないようにしましょう。一般に、喘息状態は、妊娠により、改善する場合、悪化する場合、変わらない場合が、それぞれ3分の1づつあるといわれています。安全に使用できる薬剤として、吸入ステロイド薬、吸入β2刺激薬があります。具体的なお薬名として、吸入ステロイド薬ではパルミコート、吸入β2刺激薬では、サルタノール、メプチン、セレベントなどがあります。その他にもテオフィリン
薬(商品名;テオドールなど)、クロモグリク酸(商品名;インタール)などがあります。喘息といっても軽症の方から、重症の方までおられます。治療に関しては、専門医にお尋ねください。

 加えて、抗原を含む増悪因子を避けることは重要です。動物のフケ、室内塵ダニ、ゴキブリ、花粉、カビなどを減らし、タバコの煙は避けましょう。

花粉症の治療をしたいのですが、コンタクトレンズをしながら点眼薬を使用できますか?

 花粉症でのコンタクトの使用ですが、コンタクトを使用すると、刺激がある上に、眼に飛入した花粉がなかなか排泄されないため、症状悪化は免れません。その季節は使用をやめることをおすすめします。眼鏡の着用はそれだけで、花粉の飛入を防ぎ、症状の緩和に貢献します。どうしても使用しなければならない場合は、できるだけ、短時間とし、コンタクトを装用した状態で点眼するなら、ステロイド剤は避け、抗アレルギー剤のみとしましょう。しかし、コンタクト使用による刺激により、眼の分泌物が増加し、コンタクト表面が汚れやすい状態ですから、その上に点眼することにより
取れにくい沈着物が付着してコンタクトがだめになる可能性があることを頭にいれて使用してください。

 尚、症状が軽い場合は、この限りではありません。従って、花粉が飛散する前から、抗アレルギー剤をコンタクト装用しながら使用し、症状発現を抑えることが有用です。それでも症状が出てきた場合、個々の病状の程度により異なりますので、かかりつけ医に相談してください。

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